山本 萠
『こたつの上の水滴 萠庵骨董雑記』
かつて骨董を論じて一世を風びした女性に、白洲正子がいるが、山本萠さんは今度の本で、その白州さんに引けをとらない、骨董観を示したと私は思っている。それは白洲さんには乏しかった、貧の美を衒いなく謳い上げるといった、萌さんの生き方が作りあげてきた今の世に得難いもので、私がこの場を借りて、講読を勧める所以のものである。 尾久彰三(元・日本民藝館学芸部長)
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46判/256頁/並製本 ISBN978-4-86435-379-3 C1092 |
定価:1,980円(税込) |
発売:2019年3月22日
目 次
Ⅰ 陶片の花野
こたつの上の水滴
陶片の花野
伊万里からローマまで
行きずりの人
花の日々
壺の事件
陽射しの縁側で
いちまいの秋の翳
二つの土
丸壺のある部屋
夏の坏
猫を抱く
平瓦残欠
等身大の器
窓
土の家
買います。
鶴岡さんの土偶
揺れる新緑の間に
限りなく耀けるあなた
林檎の幸福
Ⅱ 無常の坏
花の白
土壁の道
たそがれの木鉢
仏さまの御手
風を抱く
椅子の時間
夏の朝
いのちの火色
渚の記憶
一本の大徳利に
ひとつぶの露
それでもなお、春
知らぬ月日
ふきのとう
無常の坏
白磁のランプ
壺に降る雪
孤独のまん中で
廊下の長椅子に腰を下ろして
山ほろしの花
貝母一輪
世界は無尽蔵
あとがき